備忘録(仮のような正式タイトルのような

基本放置の備忘録。2013年2月25日開設。Twitterもやっています。@tatibana_m

ダメ人間街道まっしぐら。

起きたらお昼前でtotoを買えず、ゴッドイーターで遊んでいるうちに気づけばもう深夜(^ ^;

こうなるとわかっていたのにゲームを買ってしまった自分の浅はかさが憎い。

 

『賢者の贈り物』(石持浅海

 

童話のワンシーンを現実の世界に再現し、さてそこから相手がどんな事を考えている? と推理するというちょっと変わったミステリ短編集。

会話内容や論理の展開だけで進行するのは、西澤保彦っぽかったので「タック&チアキ」シリーズが好きな人なら楽しめる気がします。

以下収録されている作品をネタバレなしで簡単に解説。

「金の携帯 銀の携帯」

携帯を修理に出すあいだの代替機をお願いしたところ、候補として今まで使っていたものと同型以外、なぜか同じ種類の携帯をふたつ出された。なぜ同じ携帯が2個も出されたのか? そしてどれを選ぶのが正解なのか?

 

「ガラスの靴」

会社の同僚が集まった飲み会の翌日。部屋には誰かが間違えて履いたらしく、自分の靴がなくなり、代わりに女の子のサンダルが残されていた。しかし、女の子の誰もそのことについて触れてこない。いったいなぜ?

 

「最も大きな掌」

社長から、つぎの後任の指示を指名された。3人の候補者のうち、『最も大きな掌を持つ人物』と言われたのだが、その真意とは。

 

「可食性手紙」

用意していたカンニングペーパーがなぜか2枚。どうやらあこがれの人が密かに入れていたらしい。しかし、内容を読む前に処分してしまった。中に書かれていた内容は果たしてなんだったのか。

 

「賢者の贈り物」

フィルムカメラからデジカメに切り替えたにも関わらず、妻がプレゼントしたのはカメラのフィルム?

 

「玉手箱」

「この箱を開けたらもう二度と会えない」という言葉とともに渡された箱。この箱はどう処分するべきなのか。

 

「泡となって消える前に」

自分のことを極端に語ろうとしない彼女。彼女に答えてもらわずに彼女自身の正体を掴みたいのだが……。

 

「経文を書く」

安月給にも関わらず、ワインを買いあさっている部下がいる。ワインをそれとなくやめさせる方法とは。

 

「最後のひと目盛り」

失恋した私はやけ食いを始めた。60キロになればふっきれると思って。そんな中、飲みの誘いを受けて足を向けたのだが……。

 

「木に登る」

どうも自分の買っていた株が暴落するらしい。頭に浮かんだのは同じ株を購入していた友人だ。しかし、彼はそう簡単に連絡が取れないことになっていて……。

 

後半になるほど説明が雑になるのは面倒だったからではなく、語ればすぐネタバレになりそうだからです、一応(^ ^;

 

いずれも推論に推論を重ねていく、という形で進むうえ、それが正しかったかどうかわからないまま終わる作品もあるので、読後感がすっきりしないものもあります。

「そんな考えになるかー?」と言いたくなる推論もありますが、そこは石持浅海さんならではの展開ということで。

 

トップ3をあげるなら「ガラスの靴」「泡となって消える前に」「木に登る」の順ですかねー。