情熱の すごい プロデューサー
先週訃報を知ってから何度も泣いてしまうぐらい、僕にとってはショッキングなことで、感情をまとめることも難しかったのですが、言葉にしておかないといけない気がしていたので、ここに記しておきます。
池田東陽さん。
『カレイドスター』のウェブラジオで「池P」と呼ばれ、一躍人気となったかたです。
アニメーションの方ではアソシエイトプロデューサーだったのですが、プロデューサーと勘違いされているかたがいらっしゃるかもしれません。それほど存在感を放っていました。
イベントを頻繁に企画されるかたでした。そこにはおそらく、「ファンを大事にしたい」という気持ちが根底にあったのだと思います。『カレイドスター』のTV放映が終了してから何度もOVAが出たのも、ファンの声に応えようという池Pの思いがあったのだと思います。
イベントを何度か参加して思ったのですが、池Pご自身にはクリエイティブな才能というのはなかったと思う(少なくとも池Pご自身はそう思っていたと思う)んです。
イベントも大抵はノープランで、参加者やゲストに語ってもらうパターンだった気がします。
それでも色んな人が池Pの元に集まったのは、池Pがひたすら情熱の人だったからだと思います。
「面白いものを作りたい」「面白いものをファンに届けたい」その情熱はとどまることがなく、そのためには妥協しない。
その「面白いもの」を作れる人にはとにかく自分の情熱をぶつけ、協力を求める。
ひとたび協力を得たら、相手にも妥協しない。
池Pには「面白いものを作る」才能はなかったと思いますが「面白いものを作れる人を集める」人柄が誰よりもあったのだと思います。
敢えて才能と呼ぶなら「人と人とをつなぐ才能」なのでしょうか。
僕らカレイド馬鹿とカレイドスタッフをつないだのが池Pであることに、異論を唱える人はいないでしょう。
享年38歳。若過ぎます。
きっとご本人の中は、まだまだ作りたい作品でいっぱいだったと思います。
情熱・夢・希望であふれていたかたが、このような理不尽な形で一生を終えられたことが悔しくて、悲しくてなりません。
この一日は、池Pが行きたかった一日。それを僕は生きている。
池Pに「そんな人生送るなら、俺にくれよ! その一日で面白いことやってやる!」と言われないよう、面白い一日を送りたいと思います。
カラオケイベントに参加したとき、突発的に始まったじゃんけん大会で勝ち上がり、池Pが首に巻いていたタオルマフラーを賞品としてもらいました。
すでに買っていたものだったので「被っちゃったなぁ……」と当時は苦笑いだったのですが、今も大切にしています。これからも大事にします。
凍結になっている『ウィッシュエンジェル』ですが、いつかきっと再始動するはずです。
そのときは全力で応援します。池Pが悔しがるぐらい盛り上がりましょう。
スタッフとファンが揃って「こんな名作ができたのにねー。池Pのばーか」と言う日が来ると信じて。
いつでも読めるように追記。
http://www.style.fm/as/05_column/ikeda01.shtml