プラ、チナ、データ
劇場で予告編を見て興味を持つのは普通だけど、先に原作を読みたくなるのは我ながら意味不明(^ ^;
というわけで、読んじゃいました。
DNAから犯人を検索できるようになり、検挙率がほぼ100%となった近未来。
そのシステム構築の立役者だった神楽龍平だったが、ある殺人事件の犯人として、彼自身がシステムから断罪されてしまう。
神楽にはある秘密があり、それによって彼自身も自分を信じきれないなか、逃亡劇が始まるーー
DNAによる犯罪捜査はよく扱われるテーマだけど、犯人と直接マッチしなくても、犯人と似たDNAデータも持つ人物がヒットしたらその親族にいるという感じで犯人を絞り込める、といった具合に、世界観に厚みを持たせているあたりはさすがのベストセラー作家。
神楽の「あの秘密」を引っ張っていないのもお見事。普通ならあのネタで一本書くのだろうなあ。
唯一気になったのは、神楽とのダブル主人公として現場の刑事がいるのだけど、彼が追いかけている事件の描写が少々薄かったこと。映画でこのあたりのボリュームが調整されていたら、かなり面白いことになっていそう。
原作そのままに作るだけでも面白くなりそうなので、「どんな感じかなー」と悩むぐらいなら観に行って問題ないかと。