あれから4年。
最初の揺れが来たときはオフィスで作業の真っ最中だった。
もともとよく揺れるビルだったので「また来た」と思っていたら、揺れがどんどん大きくなり、椅子に座ることすらできなくなり、揺れがおさまった直後のオフィスの惨状を見て「震度5? 6?」となったのを覚えている。
ビルの外に出たら周囲はそれほど騒いでいなくて、「こういう災害後は近くの学校へ行くべきなのでは?」と会社のメンバー全員で小学校へ行ってみたら「今から集団下校なんです」と追い返された。「やっぱり揺れたのは自分たちのビルだけ?」と思っていたら、近くの車でラジオを聞いている人がいて、話を聞いてみたら「震源地は東北だって」と言われた。
とりあえず仕事は中止にしてスタッフを帰し、自分はどうしようかと思っていたら、別ラインの取引先から納品についての問い合わせがあり、「こんな状況で仕事!?」と嘆きつつも、やっぱり被害そのものはたいしたことがなかったんだと考えた。
やがて会社からいくつかのPCを引っ張り出し、オフィスのすぐそばにある社長宅へ運び入れたら、TVで震災の状況を取りあげるニュースを見た。
逃げる車の後を追うように波が迫り、家屋を次々飲み込んでいく様子が映っていた。
まるでリアリティがなかった。と同時に自分が今までいた世界が何か壊れてしまったんだ、と感じた。
あれから4年。
直接被害に遭われたかたがたには、ぜひ生きやすい生き方をしてほしいと心から思います。
「忘れない」は、僕のような直接被害に遭わなかった人が行えばいいように思います。
明日からの一日が、誰かの傷が癒える一日でありますように。